免責処理

ClaimCenter での免責処理

免責金額とは、特定の補償に関連付けられた金額であり、補償が有効になる前に被保険者が損害に対して自己負担で支払う必要がある金額です。保険会社は、免責金額を超える金額に対してのみ支払に応じます。例えば、免責金額が $2000 の車両保険を含む個人用自動車保険があるとします。保険の対象となる車両で衝突に巻き込まれ、修理費用は $6000 です。被保険者は、$2000 を自己負担で支払う責任があります。保険会社が残りの $4000 を支払います。

ClaimCenter は、保険金支払作成中に免責金額を処理する機能を備えています。これには、総額、適用額、および適用される残高の追跡が含まれます。

免責処理の詳細については、『アプリケーションガイド』を参照してください。

Cloud API での免責処理

Cloud API では、免責処理が保険金支払作成に組み込まれています。保険金支払セットは 1 つ以上の保険金支払で構成され、各保険金支払は 1 つ以上の支払で構成されます。支払は、1 つ以上の明細項目で構成されます。免責金額を含むエクスポージャーの場合、通常、2 件以上の明細項目で支払が構成されます。

  • サービスまたは費用償還の総額を表す 1 つ以上の明細項目。
    • これらの明細項目には、通常はプラスのトランザクション額が含まれています。
  • 免責金額を表す 1 つの明細項目。
    • この明細項目には、通常はマイナスのトランザクション額が含まれています。
    • コードプロパティが deductible に設定された lineCategory オブジェクトも明細項目に含まれています。

例えば、前の例(車の修理に $6000 が必要で $2000 の免責金額が存在する例)で保険金支払用のペイロードを作成しているとします。保険金支払の lineItems 配列は次の 2 つのメンバーで構成されます。

  • $6000 の明細項目(修理サービス用)
  • lineCategory.codedeductible の -$2000 の明細項目(免責金額用)

POST /check-sets ペイロードの lineItems 部分は、次のようになります。

            "lineItems": [
              {
                "transactionAmount": {
                  "amount": "6000.00",
                  "currency": "usd"
                }
              },
              {
                "transactionAmount": {
                  "amount": "-2000.00",
                  "currency": "usd"
                },
                "lineCategory": {
                  "code": "deductible"
                }
              }
            ]

このペイロードは、金額が $4000 の保険金支払になります。

前の例で説明した保険金支払セットの完全なペイロードを以下に示します。

POST /claim/v1/claims/cc:SzVCozO9dRQI_Ao1dBccV/check-sets

{
  "data": {
    "attributes": {
      "primaryCheckToWrite": {
        "paymentsToWrite": [
          {
            "lineItems": [
              {
                "transactionAmount": {
                  "amount": "6000.00",
                  "currency": "usd"
                }
              },
              {
                "transactionAmount": {
                  "amount": "-2000.00",
                  "currency": "usd"
                },
                "lineCategory": {
                  "code": "deductible"
                }
              }
            ],
            "paymentType": {
              "code": "final"
            },
            "reserveLine": {
              "costCategory": {
                "code": "body"
              },
              "costType": {
                "code": "claimcost"
              },
              "exposure": {
                  "id": "cc:SFaWbxZwJOCFh_UWbbC_8"
              },
              "reservingCurrency": {
                "code": "usd"
              }
            },
            "currency": {
              "code": "usd"
            }
          }
        ],
        "payees": [
          {
            "contact": {
              "id": "cc:SHLpehV4HdCDJSJhilgCA"
            },
            "payeeType": {
              "code": "insured"
            }
          }
        ],
        "paymentMethod": {
          "code": "eft"
        }
      }
    }
  }
}

免責金額の過少払いと過剰払い

免責金額は、複数の明細項目で対応できます。例えば、$500 の免責金額は 2 件の免責金額明細項目(2 件の異なる保険金支払セットでそれぞれが $250)で対応できます。また、単一の免責金額は複数のエクスポージャーに適用できます。結果的に、Cloud API では、補償の免責金額が保険金支払セットの免責金額明細項目と一致することを確認する検証を実行しません。

そのため、免責金額の過少払いまたは過剰払いが生じる可能性があります。例えば、免責金額が $2000 の車両保険を含む個人用自動車保険があるとします。保険の対象となる車両で衝突に巻き込まれ、修理費用は $6000 です。

  • $6000 の明細項目と -$1000 の免責金額明細項目を含む保険金支払セットを作成できます。対応する保険金支払は $5000 になります。これによって、実際の免責金額が契約の免責金額よりも少額になり、受取人に $1000 を過払いして、契約額を上回ります。
  • $6000 の明細項目と -$3000 の免責金額明細項目を含む保険金支払セットを作成できます。対応する保険金支払は $4000 になります。これによって、実際の免責金額が契約の免責金額よりも高額になり、受取人の受領額が $1000 不足して、契約額を下回ります。

適切な免責金額を算定して保険金支払セットで指定する処理は、呼び出し元アプリケーションで行います。

プラスの免責金額

免責金額明細項目の金額がプラスになることがあります。これは、保険会社が免責金額を過大に算定し、被保険者に払い戻す必要がある場合に発生する可能性があります。