ClaimCenter でのサービス要求の概要
以下のセクションでは、ClaimCenter でのサービス要求の動作の概要を示します。
サービス要求とは
サービスは、クレームに関連付けられた損害に対処するために業者によって実行されるアクションです。次に例を示します。
- 損傷した車両に対するサービスには、レッカーサービス、車体修理、代車の用意などが含まれます。
- 損傷した住居に対するサービスには、配管や屋根の修理などが含まれます。
- 傷害に対するサービスには、検査の実施、X 線撮影、手術の実行などが含まれます。
サービス要求は、特定のクレームに対して ClaimCenter で管理されるサービスのコレクションです。1 つの業者が複数のサービスを提供することが多いため、サービスはサービス要求にグループ化されます。こうすると、そのサービス要求のグループを、関係するサービスの 1 つの指図、1 つの請求書セット、1 つの支払に簡単に関連付けることができます。サービス要求により、このグループ化が可能になります。
サービス要求のコンポーネント
サービス要求には、次の情報が含まれています。
- 業者(「専門家」とも呼ぶ)
- 以下を指定するサービス指図:
- 顧客
- サービスが実行される場所
- 実行される一連のサービス
- 関連するエクスポージャーとインシデント
サービス要求の種類
すべてのサービス要求にサービス要求の種類が割り当てられます。サービス要求の種類は、ステップを記述したビジネスフローであり、サービスの見積、処理、および請求に使用します。ClaimCenter では、以下のサービス要求の種類を使用します。
- 見積のみ - このサービス要求の種類は、業者に見積のみを要求します。
- この種類が適切なのは、保険会社が複数の業者の見積を比較して作業のアサイン先を決定する場合です。(このサービス要求の種類は、「見積とサービス」に格上げできます)。
- ユーザーインターフェイスでは、このサービス要求の種類に「見積」というラベルが付けられます。
- 見積とサービス - このサービス要求の種類には見積が含まれ、業者によるサービスの提供とサービスの請求書の送信が続きます。
- この種類が適切なのは、業者に見積の提出を依頼するものの、見積に関係なく、アサインされた業者を使用する予定の場合です。
- ユーザーインターフェイスでは、このサービス要求の種類に「サービスの見積および実行」というラベルが付けられます。
- サービスのみ - このサービス要求の種類は、サービスを提供して(見積を準備せずに)サービスの請求書を送信する業者に使用します。
- この種類が適切なのは、業者にサービスの提供を依頼するものの見積は必要ない場合です。レンタカーなど、料金がクレームによって変化しない「定額」サービスによく使用されます。
- ユーザーインターフェイスでは、このサービス要求の種類に「サービスの実行」というラベルが付けられます。
- 管理されていない - このサービス要求の種類が適切なのは、業者にサービスの提供を依頼して ClaimCenter で最低限の処理を行う場合です。関連する見積はありません。このサービス要求では、請求して、すぐに支払いを受けることができます。
- このサービス要求の種類は、迅速な対応を行うサービス用であり、「自動車 - 初回かつ最終」クレームでの破損したフロントガラスの修理などがあります。
- ユーザーインターフェイスでは、このサービス要求の種類に「サービス」というラベルが付けられます。
サービスの種類の適合性
必ずしも、すべてのサービスがすべてのサービス要求の種類に適合するわけではありません。ベースコンフィギュレーションの例
- 「自動車査定」サービスは、見積のみのサービス要求にしか添付できません。
- 「自動車レッカー」サービスは、見積とサービスのサービス要求、サービスのみのサービス要求、または管理されていないサービス要求にしか添付できません。
サービスの種類の適合性は、vendorservicedetails.xml ファイルでコンフィギュレーションします。このファイルは Studio 経由でアクセスできます。
サービス要求のライフサイクル
サービス要求のライフサイクルには、いくつかのステージがあります。現在のステージがサービス要求の[進行中]フィールドに列挙されます。場合によっては、ClaimCenter または ClaimCenter ユーザーによってアクティビティが完了し、サービス要求が次のステージに移行することがあります。それ以外は、業者によってアクティビティが完了し、サービス要求が次のステージに移行します。
次の図は、ライフサイクル内のステージを示しています。それぞれの枠が 1 つのステージです。太い緑色の矢印は、通常は ClaimCenter のアクティビティによって到達されるステージにつながっています。細い茶色の矢印は、通常は業者のアクティビティによって到達されるステージにつながっています。

完全に実行されるサービス要求は、以下のステージを経由します。
- ドラフト
- サービス要求は、ClaimCenter で作成されましたが、まだ業者に送信されていません。
- 要求済み
- サービス要求は、業者に送信されましたが、まだ受理されていません。
- 進行中
- 業者がサービス要求を受理し、作業を開始しました。
- 見積のみのサービス要求の場合、「作業」が見積の生成で構成されます。
- 見積とサービスのサービス要求の場合、見積の生成と承認が行われてサービスが提供される処理で「作業」が構成されます。
- 他のすべてのサービス要求の種類の場合は、「作業」がサービスの直接提供で構成されます。
- 作業完了
- 作業(見積またはサービスのセット)が完了しました。
- この時点で、業者は、作業に関する請求書を送信している場合と送信していない場合があります。
- この時点で、請求書は、支払われている場合と支払われていない場合があります。
他にも、サービス要求が到達する可能性のあるステージがあります。
- 却下済み
- 業者がサービス要求を受理しないことを決定した場合、サービス要求はこのステージに到達する可能性があります。例えば、サービス要求がレンタカーの場合に、利用可能な車両が業者にないと発生することがあります。
- 業者がサービス要求を受理したものの、実行不能と言い出した場合、サービス要求はこのステージに到達する可能性があります。例えば、対応可能な整備士が想定外で不足している状況の業者で発生する場合があります。
- キャンセル済み
- サービス要求は必要ないと保険会社が結論付けた場合、サービス要求はこのステージに到達する可能性があります。例えば、保険会社が損傷した車両の代わりに新しい車を購入することにした場合です。
- 業者待機中
- ClaimCenter からの入力が進まず、業者がサービスに取り掛かれない場合、サービス要求はこのステージに到達する可能性があります。例えば、担当者の承認が必要な見積を業者が送信した場合です。
サービス要求の請求書
見積とサービスのサービス要求、サービスのみのサービス要求、または管理されていないサービス要求は、作業が完了したら、通常は業者が 1 つ以上の請求書を送信します。これらの請求書はサービス要求に添付されます。これらはクレームの支払備金明細のいずれかにある資金を使用して支払われます。サービス要求の性質によっては、担当者の承認が必要になることがあります。
電子的請求書処理
電子的請求書処理は ClaimCenter のコンフィギュレーション可能な動作で、一定の条件を満たす請求書が自動的に承認され、支払われます。電子的請求書処理は、管理されていないサービス要求でよく使用されます。これらのサービス要求は最低限の処理が関与するように設計されているからです。