Cloud API でのサービス要求の概要

サービス要求 API と業者ポータル

ClaimCenter の以前のリリースでは、サービス要求は主に 2 つのシステムで管理されていました。ClaimCenter と業者ポータルです。業者ポータルは、業者が ClaimCenter からサービス要求に関する情報を管理する場合に使用するアプリケーションです。このパラダイムでは次のようになります。

ClaimCenter では、次のようなアクションを担当します。

  • サービス要求の作成
  • 業者へのサービス要求の送信
  • 業者への支払い

業者は、次のようなアクションを担当します。

  • サービス要求の受理
  • サービス要求の見積
  • サービス要求に関する請求書の送信

Cloud API は、サービス要求を処理するためのさまざまなオプションを備えています。サービス要求 API は業者ポータルで使用できます。ただし、以下の場所でも使用できます。

  • サービス要求を専門に扱う担当者用の代替フロントエンドアプリケーション
  • 一括して業者請求書を送信または決済するサービス
  • 複数の業者のサービス要求を管理している業者管理システム

このように、Cloud API によって公開されるサービス要求機能は、業者ポータルによって使用される機能に限定されません。むしろ、サービス要求プロセス全体の管理に必要なサービス要求機能が公開されます。

ライフサイクル管理

Cloud API は、サービス要求のライフサイクルを管理する複数のエンドポイントを備えています。ここに含まれるのは、保険会社で実行されるアクション(サービス要求の送信など)用のエンドポイントと、業者で実行されるアクション(サービス要求の受領など)用のエンドポイントの両方です。

このリリースから、サービス要求をライフサイクル内のほとんどのステージに移行できるよう、エンドポイントが用意されました。ただし、現時点で、サービス要求を「業者待機中」ステータスに移行させるエンドポイントは存在しません。

必須のサービス要求データモデル

ClaimCenter には、レガシーモデルとコアサービス要求データモデルの 2 つのサービス要求データモデルが含まれています。ClaimCenter の各インスタンスでは、これらのモデルのいずれか 1 つしか使用できません。ベースコンフィギュレーションでは、デフォルトでコアサービス要求データモデルが有効になります。一般的に、保険会社にはコアサービス要求データモデルを使用することをお勧めします。

注: Cloud API でサービス要求システム API を使用するには、コアサービス要求データモデルを有効にする必要があります。ClaimCenter のこのバージョンで実稼働する予定の保険会社は、コアサービス要求データモデルを使用することをお勧めします。保険会社によっては、レガシーモデルしか提供していない以前のリリースからアップグレードしている場合もあります。アップグレード中の顧客がサービス要求 API の使用を希望している場合、保険会社がコアサービス要求データモデルを使用するようにコンフィギュレーションを変更する必要があります。詳細については、『アップグレードガイド』を参照してください。

サービス要求番号

パブリック ID に加えて、すべてのサービス要求に「サービス要求番号」がアサインされます。デフォルトで、この番号は、ほとんどのサービス要求アクションの応答ペイロードに含まれています(serviceRequestNumber フィールド内)。パブリック ID とは異なり、サービス要求番号はユーザーインターフェイスに表示されます。テスト中にサービス要求番号を使用して、システム API 応答に表示されるサービス要求と、ユーザーインターフェイスの対応するサービス要求を照合できます。

各サービス要求の種類のサポート

保険会社がこのリリースを使用して実稼働に移行し、連携ポイントで見積作成または請求書の支払を実行する機能が必要な場合、保険会社が独自の連携ポイントを作成する必要があります。今後のリリースで使用可能になるサービス要求機能の詳細については、Guidewire のアカウントマネージャまたはプロジェクトマネージャに相談してください。

「見積のみ」のサービス要求と「見積とサービス」のサービス要求

「見積のみ」のサービス要求や「見積とサービス」のサービス要求がシステム API で移行可能なステージを下表に列挙します。サービス要求を次のステージに移行させるシステム API アクションと、ClaimCenter の[サービス]リストにあるサービスの[次のアクション]列の値が記載されています。

システム API エンドポイント 移行先 サービスリストの次のアクション
POST /service-requests ドラフト 要求の送信
POST /{serviceRequestId}/submit 要求済み 見積の提供に同意
POST /{serviceRequestId}/accept 進行中 見積の追加

このリリースでは、見積を作成するエンドポイントや請求書を支払うエンドポイントはありません。ただし、ユーザーは、ユーザーインターフェイスにより、見積を作成したり、請求書を支払ったり、サービス要求を完了に移行させるその他のアクションを実行できます。

「サービスのみ」のサービス要求

「サービスのみ」のサービス要求がシステム API で移行可能なステージを下表に列挙します。サービス要求を次のステージに移行させるシステム API アクションと、ClaimCenter の[サービス]リストにあるサービスの[次のアクション]列の値が記載されています。

システム API エンドポイント 移行先 サービスリストの次のアクション
POST /service-requests ドラフト 要求の送信
POST /{serviceRequestId}/submit 要求済み サービスの実行を了承
POST /{serviceRequestId}/accept 進行中 作業を完了
POST /{serviceRequestId}/complete-work 作業完了 請求書の追加
POST /{serviceRequestId}/invoices 作業完了 請求書の支払

このリリースでは、請求書を支払うエンドポイントはありません。ただし、請求書はユーザーインターフェイスで支払うことができます。

「管理されていない」サービス要求

「管理されていない」サービス要求がシステム API で移行可能なステージを下表に列挙します。サービス要求を次のステージに移行させるシステム API アクションと、ClaimCenter の[サービス]リストにあるサービスの[次のアクション]列の値が記載されています。

システム API エンドポイント 移行先 サービスリストの次のアクション
POST /service-requests 作業完了 請求書の追加
POST /{serviceRequestId}/invoices 作業完了 請求書の支払

このリリースでは、請求書を支払うエンドポイントはありません。管理されていないサービス要求では、電子的請求書処理を利用して、自動的に請求書を承認して支払うことが期待されています。ただし、必要に応じて、請求書はユーザーインターフェイスで支払うことができます。

サービス要求に関するコンポジット要求の制限事項

見積のみ、見積とサービス、またはサービスのみのサービス要求では、単一のコンポジット要求でサービス要求を作成および送信できます。ただし、これらの種類のサービス要求は、同じコンポジット要求のライフサイクルの別のステージ(業者または保険会社の要求での、進行中、却下済み、キャンセル済みなど)に進むことはできません。