Cloud API でのインシデントの概要

Cloud API は以下のインシデントリソースをサポートしています。

  • 建物インシデント
  • 固定資産インシデント
  • 財物内容物インシデント
  • その他の建造物インシデント
  • 傷害事故
  • 生活費補償インシデント
  • 車両インシデント

インシデントの種類ごとに、通常は次の表に示すような 5 つのエンドポイントがあります。

操作 エンドポイント 特定のクレームに対する動作
GET /claims/{claimId}/incidentType incidentType のすべてのインシデントを問い合わせる
POST /claims/{claimId}/incidentType タイプが incidentType である新しいインシデントを作成する
GET /claims/{claimId}/incidentType/{incidentId} 特定のインシデントを問い合わせる
PATCH /claims/{claimId}/incidentType/{incidentId} 特定のインシデントを更新する
DELETE /claims/{claimId}/incidentType/{incidentId} 特定のインシデントを削除する

例えば、以下のエンドポイントは車両インシデントとやり取りします。

  • GET /claims/{claimId}/vehicle-incidents
  • POST /claims/{claimId}/vehicle-incidents
  • GET /claims/{claimId}/vehicle-incidents/{incidentId}
  • PATCH /claims/{claimId}/vehicle-incidents/{incidentId}
  • DELETE /claims/{claimId}/vehicle-incidents/{incidentId}
財物内容物インシデントは、財物に含まれる項目用に assessment-content-items エンドポイントをサポートします。
操作 エンドポイント 特定のクレームに対する動作
GET /claims/{claimId}/property-contents-incidents/{incidentId}/assessment-content-items 財物に含まれるすべての査定内容項目を問い合わせる
POST /claims/{claimId}/property-contents-incidents/{incidentId}/assessment-content-items 財物に含まれる査定内容項目を新規作成する
GET /claims/{claimId}/property-contents-incidents/{incidentId}/assessment-content-items/{contentItemsId} 財物に含まれる特定の査定内容項目を問い合わせる
PATCH /claims/{claimId}/property-contents-incidents/{incidentId}/assessment-content-items/{contentItemsId} 財物に含まれる査定内容項目を更新する
DELETE /claims/{claimId}/property-contents-incidents/{incidentId}/assessment-content-items/{contentItemsId} 財物に含まれる査定内容項目を削除する

主要な子オブジェクト

ほとんどの種類のインシデントにはインライン化された主要な子オブジェクトが含まれており、ここには、損害を受けた事物に関する、損害が発生する前からの固有の情報が保存されます。次に例を示します。

  • 建物インシデント、固定資産インシデント、財物内容物インシデントには location オブジェクトがあります。
    • ここには、所在地に固有の情報(address など)が保存されます。
  • 傷害事故には injuredPerson オブジェクトがあります。
    • ここには、負傷者に固有の情報(firstNamelastName など)が保存されます。
  • 車両インシデントには vehicle オブジェクトがあります。
    • ここには、車両に固有の情報(makemodellicenseplate など)が保存されます。

損害に関する情報(損害の説明や重大度など)はインシデントに保存されますが、この子オブジェクトの一部にはなりません。例えば、車両インシデントには airbagsdeployed フィールドがあります。このフィールドは車両インシデントそのものに直接存在し、vehicle 子オブジェクト上にはありません。

インシデントとリスクユニット

主要な子オブジェクトを持つことができるリソースは次の 2 つです。

  • インシデント:損失したり損害を受けた事物(保険契約の補償対象になるかどうかに関わりません)。
  • リスクユニット:クレームに関連付けられた保険契約の補償対象になる事物(損失したり損害を受けたかどうかに関わりません)。

主要な子オブジェクトは 1 つのリスクユニットのみ、1 つのインシデントのみ、または 1 つのリスクユニットと 1 つのインシデントの両方に関連付けることができます。車両および個人用自動車保険について、次の例を考えてみます。

  • 保険契約者が所有する車両で、損傷していないもの。
    • これは、ClaimCenter の保険契約のコピーに、車両リスクユニットの一部として表示されます。
    • ただし損傷していないので、この車両に対する車両インシデントは存在しません。
  • 第三者が所有する車両で、損傷したもの。
    • これは、ClaimCenter の保険契約のコピーには表示されません。(第三者の保険契約の補償対象になっている可能性がありますが、この保険契約者の保険契約の補償対象ではありません。)この車両に対して、車両リスクユニットは存在しません。
    • ただし損傷しているので、この車両に対する車両インシデントは存在します。
  • 保険契約者が所有する車両で、損傷したもの。
    • これは、ClaimCenter の保険契約のコピーに、車両リスクユニットの一部として表示されます。
    • 損傷しているので、車両インシデントの一部としても表示されます。

適合しないインシデントの種類

保険契約の種類と適合しない種類のインシデントは作成できません。例えば、個人用自動車保険契約と関連付けられているクレームに対して、建物インシデントは作成できません。これを試みると、システム API が次のようなエラーメッセージを返します。

{
        "status": 404,
        "errorCode": "gw.api.rest.exceptions.NotFoundException",
        "userMessage": "No resource was found at path /claim/v1/claims/cc:34/dwelling-incidents"
}

特定の保険契約の種類では、一部の保険会社が、ベースコンフィギュレーションではその保険契約の種類と適合しないインシデントの作成を必要とするビジネス要件を持っている場合があります。 例えば、ベースコンフィギュレーションでは、固定資産インシデントとインランドマリン保険契約は適合しませんが、保険会社のビジネス要件で、インランドマリン保険契約に対して固定資産インシデントを作成する必要が生じる場合があります。保険会社はこのビジネス要件を実装するために、インシデントの種類と保険契約の種類が適合するように、ClaimCenter 保険種目タイプリストをコンフィギュレーションする必要があります。詳細については、『コンフィギュレーションガイド』を参照してください。

インシデントに対する外部のユーザーの承認

Cloud API はさまざまな種類の呼び出し元の承認をサポートしています。サポートされる呼び出し元の種類の 1 つは外部のユーザーです。外部のユーザーは、保険会社にとって既知であるが、運用データベース内にユーザーとしてリストされていない個人です。ClaimCenter では、外部のユーザーの種類の 1 つに保険契約者があります。保険契約者は、保険契約のクレームに関する情報についてやりとりを必要とするユーザーです。例えば、Ray Newton さんは保険契約者ですが、個人用自動車保険について提出されたクレームのステータスを確認したいと思っています。外部のユーザーの承認の詳細については、『Cloud API Authentication Guide(Cloud API 認証ガイド)』を参照してください。

ベースコンフィギュレーションでは、外部のユーザーは自分の保険契約に関係するクレームのインシデント情報を表示および編集することができます。しかし、このユーザーが表示と編集ができるのは、被保険者の役割で保険契約に関係しているクレーム連絡先に関係するインシデントのみです。その他の種類のインシデント(第三者のインシデントなど)に関する情報は表示できません。

例えば、Ray Newton さんが事故のクレームを提出するとします。事故は、Ray Newton さん自身と別の運転者(David Preston さん)が関係しています。クレームには、2 台の車両のインシデント(1 つは Ray Newton さんの車両、1 つは David Preston さんの車両)が含まれています。

  • Ray Newton さんは以下の操作を実行できます。
    • 自分自身の車両インシデントに関する情報を表示すること。このインシデントは、自分自身に関係しており、自身は被保険者の役割でその保険契約に関係しています。
    • インシデントを新規作成すること(保険契約で被保険者であるクレーム連絡先に関係している場合と関係していない場合があります)。
  • Ray Newton さんは以下の操作を実行できません。
    • David Preston さんの車両インシデントに関する情報を表示または編集すること。
    • 自分が作成したインシデントに関する情報(保険契約で被保険者であるクレーム連絡先に関係していない情報)を表示または編集すること。