ClaimCenter の事故受付プロセス

事故受付(FNOL)とは、補償の対象になる可能性がある損害が保険会社に通知されることです。

次のセクションでは、ClaimCenter での事故受付動作の概要を示します。

ドラフトクレームと未了クレーム

事故受付プロセスでは、まずクレームを作成します。クレームは 2 つの状態、ドラフトと未了に遷移します。

  • ドラフトクレームは、ClaimCenter データベースに保存されているものの、そのクレームを査定プロセスに進めるための十分な情報がまだ揃っていない状態のクレームです。ドラフトクレームがユーザーにアサインされることはありません。
  • 未了クレームは、ClaimCenter データベースに保存されていて、査定プロセスに進めるための十分な情報も揃っている状態のクレームです。未了クレームになると、担当者にアサインされます(未了クレームは多くの場合、単に「クレーム」と呼ばれます)。

事故受付プロセスでは、クレームには 2 つの異なるクレーム番号が付きます。ドラフトクレーム番号と未了クレーム番号です。

  • ドラフトクレーム番号は、ドラフトが初めて保存されるときにアサインされます。ベースコンフィギュレーションでは、ドラフトクレーム番号は、通常、「999」で始まります。
  • 未了クレーム番号は、クレームがドラフトから未了に移行するときにアサインされます。ベースコンフィギュレーションでは、未了クレーム番号は、通常、「000」で始まります。

すべての未了クレームは、作成方法に関係なく、最初はドラフトクレームとして開始されます。ただし、[新規クレームウィザード]には、ドラフトクレームと未了クレーム間のほとんどの相違点は表示されません。例えば、ベースコンフィギュレーションでは、ドラフトクレーム番号は、クレーム作成時に[新規クレームウィザード]には表示されません。

[新規クレームウィザード]でドラフトクレームを終了する前に、[キャンセル]をクリックしてドラフトクレームをキャンセルすることができます。これにより、データベースからクレーム情報が破棄されます。このアクションは、ドラフトクレームでのみ実行できます。[新規クレームウィザード]が終了すると、クレームは、キャンセルできなくなります。

検証済みおよび未検証の保険契約

クレームの作成時に、ClaimCenter では関連する保険契約のコピーを作成してクレームに添付します。これは、検証済みの保険契約または未検証の保険契約になります。

検証済みの保険契約

検証済みの保険契約は、保険契約管理システム(PAS)から取得した情報に基づく保険契約のコピーです。実稼働システムでは、検証済みの保険契約は最も一般的な保険契約のタイプです。

すべてのクレームは、保険契約のコピーを独自に保有します。同一の保険契約から 2 つのクレームが作成される場合、それぞれのクレームが独自のコピーを持つことになります。

検証済みの保険契約は、テストシステムと実稼働システムのどちらにおいても使用できます。ただし、PAS(またはテストPAS)と、その PAS への連携ポイントが必要になります。

未検証の保険契約

未検証の保険契約は、事故受付プロセスの過程で、担当者または呼び出し元アプリケーションから提供された情報に基づいて作成される保険契約です。この情報は PAS 内の情報と正しく対応している場合と、対応していない場合があります。未検証の保険契約では、担当者が PAS からの情報なしで事故受付プロセスを開始します。これが必要になるのは、保険契約を探すために十分な情報を報告者が知らない場合や、思い出せないような場合です。

未検証の保険契約は、最終的には PAS からのデータで更新され、検証済みの保険契約に変換される必要があります。保険契約が未検証である間は、クレームプロセスを完了してクレームに対する支払を行うことはできません。

未検証の保険契約は、テストシステムと実稼働システムのどちらにおいても使用できます。テストシステムでは、PAS への連携ポイントを持たず、Test Util API を有効にする必要もなく保険契約を作成できるので、未検証の保険契約が便利な場合があります。