ClaimCenter 内の支払備金の概要

支払備金明細

エクスポージャーは、クレームに関連付けられたオブジェクトであり、発生する可能性のある支払または関連支払セットの追跡に使用します。それぞれのエクスポージャーは、1 つの補償(つまり資金の出所)と 1 つの保険金請求者(つまり資金の送金先)にリンクされます。

多くの場合、支払能力を確保するために、クレームが最初に提出された時点で保険会社が資金を確保していることが、行政上の法令で義務付けられています。すべての詳細情報が収集されていない場合でも同様です。支払備金トランザクションは、この目的で確保された資金をマークするトランザクションです。通常、支払備金トランザクションは、単に支払備金と呼ばれます。

例えば、エクスポージャーが損傷車両の車両保険に関連付けられているクレームがあるとします。エクスポージャーには、調査と何らかの自動車修理作業が必要です。このエクスポージャーの場合、2 つの支払備金トランザクションがあり得ます。調査用の資金を確保するための $500 のトランザクションと、自動車修理作業用の資金を確保するための $3000 のトランザクションです。

これらの支払備金トランザクションの整理を支援するために、それぞれのエクスポージャーに 1 つ以上の支払備金明細が含まれています。データモデルの観点から、支払備金明細は、財務トランザクションに適用可能なカテゴリです。各支払備金明細は、2 つのプライマリ値(コストタイプとコストカテゴリ)によって分類されます。

  • コストタイプは、資金が賠償用か、費用用かを識別します。
    • 費用支払備金を使用して、クレームの当該部分を処理した場合に保険会社に発生するコストに充当します。前の例では、自動車調査用の $500 のトランザクションが費用支払備金に関連付けられます。
    • 賠償支払備金は、保険金請求者に賠償する(つまり、「損害発生以前の元の状態に戻す」)ために使用されます。前の例では、自動車修理作業用の $3000 のトランザクションが賠償支払備金に関連付けられます。
  • コストカテゴリは、コストタイプをさらに細かいレベルで分類したものです。
    • 例えば、個人用自動車クレームに関する支払備金明細は、「車体修理」または「車両調査」のコストカテゴリに分類できます。
    • コストカテゴリは、保険金支払やビジネスの追跡に使用されます。

支払備金の作成

支払備金は、クレームの特性に基づくビジネスルールによって自動的に作成できます。例えば、フロントガラスの破損が唯一の損害である自動車クレームに対し、ビジネスルールによって $500 の支払備金を作成できます。

支払備金は、ユーザーインターフェイスを通して作成できます。

また、Cloud API などの連携ポイントでも作成できます。

支払備金セットと承認

財務トランザクションが作成されるとき、権限制限やトランザクション承認ルールが不十分な場合、トランザクションの承認が必要なことがあります。この場合、別のユーザーがトランザクションを承認する必要があります。そうでない場合は、トランザクションが自動的に承認されます。

クレームによっては、同時に複数の支払備金トランザクションが作成され、まとめて承認しなければならない場合があります。(すべてのトランザクションが承認されるか、どのトランザクションも承認されないかのどちらかです。)この動作を容易にするために、支払備金トランザクションが支払備金セットにグルーピングされます。支払備金セットは、1 つ以上の支払備金トランザクションのセットであり、一括承認用に送信されます。

承認は、承認アクティビティを使用して行われます。承認の業務機能の詳細については、『アプリケーションガイド』を参照してください。アクティビティと Cloud API の詳細については、アクティビティを参照してください。(支払備金セットが Cloud API を介して送信された場合、権限制限がチェックされているユーザーがセッションユーザーになります。セッションユーザーの決定方法の詳細については、『Cloud API 認証ガイド』を参照してください。)

支払備金トランザクションと確認

ClaimCenter は、通常、総勘定元帳システムを含むさまざまなダウンストリームシステムと連携しています。ClaimCenter が保険金支払アクティビティを実行すると、総勘定元帳に通知します。その後、そのアクティビティに関する情報が受理されたことを総勘定元帳で確認できます。

支払備金トランザクションが作成されて承認されると、そのステータスは最初は「送信中」に設定されます。トランザクションが確認されると、そのステータスが「送信済み」に変更されます。