インシデントの作成
ベースコンフィギュレーションでは、どの種類のインデントの作成でも必須フィールドはありません。すべてのフィールドがオプションです。
以降のセクションでは、システム API を通して作成できるさまざまな種類のインシデントに関する追加情報と例について説明します。
建物インシデント
建物インシデントは、人が住む場所に関する損害情報を取得するオブジェクトです。
ベースコンフィギュレーションでは、建物インシデントは次のタイプの保険契約で使用できます。
- HOPHomeowners
建物インシデントには通常、location という名前の主要な子オブジェクトが含まれます。このオブジェクトには、建物の所在地に固有の属性を記述するフィールド(address など)が含まれます。建物インシデントには、損害に固有の追加情報(damagedAreaSize や severity など)も含まれます。建物インシデントを作成するときに、location を指定する必要はありません。location を指定する場合、次のいずれかを実行します。
policySystemIdを入力することで、保険契約に既存の所在地を指定する- ClaimCenter
idを入力することで、クレームに既存の所在地を指定する - 属性をインラインで入力することで、新しい所在地を作成する
他の一部の子オブジェクトと異なり、location を included セクション内の参照リソースとして作成し、refid によって指定することはできません。新しい所在地はインラインリソースとして作成する必要があります。
一般的な建物インシデントの作成例
次の例では、建物インシデントの location が追加され、policySystemId によって指定されています。
POST /claims/{claimId}/dwelling-incidents
{
"data": {
"attributes": {
"description": "water from heavy rains leaked through the roof damaging walls and floor.",
"location" : {
"policySystemId" : "pcdwl:0001-1"
} ,
"yearsInHome" : 7
}
}
}
固定資産インシデント
固定資産インシデントは、固定資産部分(建物など)に関する損害情報を取得するオブジェクトです。
ベースコンフィギュレーションでは、固定資産インシデントは広範囲の保険契約の種類で使用できます。これには次の種類の保険契約が含まれます。
- 事業用自動車
- 経営者
- 法人保険パッケージ
- 商業用財物
- 個人用自動車
このリスト以外の保険契約の種類も含まれます。固定資産インシデントに適合する保険契約の種類の完全なリストについては、Studio の Incident タイプリストを参照してください。
固定資産インシデントには通常、location という名前の主要な子オブジェクトが含まれます。このオブジェクトには、資産の所在地に固有の属性を記述するフィールド(address など)が含まれます。固定資産インシデントには、損害に固有の追加情報(LossParty や severity など)も含まれます。固定資産インシデントを作成するときに、location を指定する必要はありません。location を指定する場合、次のいずれかを実行します。
policySystemIdを入力することで、保険契約に既存の所在地を指定する- ClaimCenter
idを入力することで、クレームに既存の所在地を指定する - 属性をインラインで入力することで、新しい所在地を作成する
他の一部の子オブジェクトと異なり、location を included セクション内の参照リソースとして作成し、refid によって指定することはできません。新しい所在地はインラインリソースとして作成する必要があります。
一般的な固定資産インシデントの作成例
次の例では、建物インシデントの location が追加され、インラインリソースとして作成されています。
POST /claims/{claimId}/fixed-property-incidents
{
"data": {
"attributes": {
"location": {
"address": {
"addressLine1": "1313 Monroe Lane",
"city": "Pomona",
"country": "US",
"state": {
"code": "CA"
}
},
"primaryLocation": false
},
"severity" : {
"code" : "major-prop"
}
}
}
}
財物内容物インシデント
財物内容物インシデントは、商業用または業務用財物内の個人の持ち物や貴重品(インテリア、コンピュータ、宝飾品など)に関する損害情報を取得するオブジェクトです。
ベースコンフィギュレーションでは、財物内容物インシデントは広範囲の保険契約の種類で使用できます。これには次の項目が含まれます。
- HOPHomeowners
- CommercialProperty
- BusinessOwners
このリスト以外の保険契約の種類も含まれます。財物内容物インシデントに適合する保険契約の種類の完全なリストについては、Studio の Incident タイプリストを参照してください。
財物内容物インシデントには通常、主要な子オブジェクト location が含まれます。このオブジェクトには、個人財物の損害が発生した保管場所を記述するフィールド(address など)が含まれます。財物内容物インシデントには、損害に固有の追加情報(lossparty や severity など)も含まれます。財物内容物インシデントを作成するときに、location を指定する必要はありません。location を指定する場合、次のいずれかを実行します。
policySystemIdを入力することで、保険契約に既存の所在地を指定するClaimCenterid を入力することで、クレームに既存の所在地を指定する- 属性をインラインで入力することで、新しい所在地を作成する
severity を含めることができますが、ベースコンフィギュレーションではこれらのサブタイプの重大度(severity)タイプコードは提供されません。タイプリストおよびタイプコードのカスタマイズの詳細については、『コンフィギュレーションガイド』を参照してください。財物内容物インシデントは assessment-content-items エンドポイントを使用して、財物に含まれる個々の項目に関する損害情報を取得します。
査定内容項目には通常、description、損失した項目の種類を記述する contentCategory、ならびにその purchaseCost および replacementValue が含まれます。査定内容項目には、保険契約内の項目の一般的な概要レベルの分類を含めることができます。これは contentsSchedule という名前です。この付表期間には以下が含まれます。
- 住宅所有者
- オフィス家具および備品
- 情報システム
contentSchedule は、明細項目に適用可能な contentCategory を決定します。住宅所有者に対する electronics やオフィス家具および備品に対する filecabinet などがあります。どのフィールドも必須ではありませんが、POST 要求ペイロードに contentSchedule を含めない場合、使用可能な contentCategory 明細項目に対する制約が存在しなくなります。
詳細については、Studio の ContentLineItemsSchedule および ContentLineItemCategory の各タイプリストを参照してください。
contentSchedule は、明細項目に適用可能な contentCategory を決定します。住宅所有者に対する electronics やオフィス家具および備品に対する filecabinet などがあります。どのフィールドも必須ではありませんが、POST 要求ペイロードに contentSchedule を含めない場合、contentCategory 明細項目の制約が必要なくなります。
ContentLineItemSchedule および ContentLineItemCategory の各タイプリストを参照してください。- ClaimCenter では、個人財物の明細項目で読み取り専用の備考・経緯フィールドが使用されます。特定のビジネスルールでは、この備考・経緯フィールドに明細項目に関するコメントが入力されます。Claim API では、これに対応する要求ペイロードの属性
itemCommentが編集可能です。ClaimCenter と Claim UI の両方を使用する場合、備考・経緯フィールドの上書きが行われる可能性が生じます。 - ベースコンフィギュレーションでは、ClaimCenter の査定内容項目の説明フィールドが必須です。Claim API では、このフィールド /
assessment-content-itemsの要求ペイロードは必要ありません。
査定内容項目を含んだ状態の財物内容物インシデントの作成例
次の例では、財物内容物インシデントの所在地と査定明細項目が両方とも 1 つの POST 操作内に作成されています。財物内容物インシデントは第三者の所在地をインラインで作成します。included セクションでは、財物内容物の所在地で発生した窃盗におけるレコードプレイヤーの紛失について、査定概要の明細項目が追加されています。
POST claim/v1/claims/cc:S44U/property-contents-incidents/
{
"data": {
"attributes": {
"description": "Property Contents incident",
"location":{
"address": {
"addressLine1": "287 Kensington Rd. #1A",
"addressLine2": "Level 1",
"addressLine3": "Unit 1",
"city": "South Pasadena",
"country": "US",
"county": "Los Angeles County",
"postalCode": "91145",
"state": {
"code": "CA"
}
}
},
"lossParty": {
"code": "insured"
}
}
},
"included": {
"AssessmentContentItem": [
{
"attributes": {
"amountAfterLimit": {
"amount": "54.27",
"currency": "usd"
},
"contentCategory": {
"code": "collectibles"
},
"contentSchedule": {
"code": "homeowners"
},
"depreciationPercentage": "21.0",
"description": "Record player",
"itemComment": "Items stolen during burglary",
"numberOfItems": 2,
"purchaseCost": {
"amount": "1200.76",
"currency": "usd"
},
"replacementValue": {
"amount": "965.23",
"currency": "usd"
}
},
"method": "post",
"uri":"/claim/v1/claims/cc:S44U/property-contents-incidents/this/assessment-content-items/"
}
]
}
}
}
傷害事故
傷害事故は、保険金請求者が被った単一の傷害に関する損害情報を取得するオブジェクトです。
ベースコンフィギュレーションでは、傷害事故は広範囲の保険契約の種類で使用できます。これには、以下が含まれます。
- 事業用自動車
- 経営者
- 法人保険パッケージ
- 包括賠償責任
- 個人用自動車
このリスト以外の保険契約の種類も含まれます。固定資産インシデントに適合する保険契約の種類の完全なリストについては、Studio の Incident タイプリストを参照してください。
傷害事故には通常、injuredPerson という名前の主要な子オブジェクトが含まれます。このオブジェクトには、その人物に固有の属性を記述するフィールド(firstName や lastName など)が含まれます。傷害事故には、傷害に固有の追加情報(ambulenceused、primaryDoctor、treatmentType など)も含まれます。傷害事故を作成するときに、injuredPerson を指定する必要はありません。injuredPerson を指定する場合、次のいずれかを実行します。
policySystemIdを入力することで、保険契約に既存のクレーム連絡先を指定する- ClaimCenter
idを入力することで、クレームに既存のクレーム連絡先を指定する includedセクションで新しいクレーム連絡先を作成し、そのクレーム連絡先をrefidによって参照する
一般的な傷害事故の作成例
次の例では、傷害事故の injuredPerson が提供され、それが ClaimCenter id によって指定されています。
POST /claims/{claimId}/injury-incidents
{
"data": {
"attributes": {
"bodyParts": [
{
"primaryBodyPart": {
"code": "head"
}
}
],
"description": "Potential vision loss",
"detailedInjuryType": {
"code": "58"
},
"generalInjuryType": {
"code": "specific"
},
"injuredPerson": {
"id": "cc:102"
},
"lossParty": {
"code": "third_party"
},
"lostWages": true,
"severity": {
"code": "major-injury"
},
"treatmentType": {
"code": "hospital"
}
}
}
}
生活費補償インシデント
生活費補償インシデントは、財物が使用できないことによって発生する費用に関する損害情報を取得するオブジェクトです。(例えば、損害を受けた自宅の修理中のホテル滞在などです。)
ベースコンフィギュレーションでは、生活費補償インシデントは次の種類の保険契約で使用できます。
- HOPHomeowners
他の種類のインシデントと異なり、生活費補償インシデントでは主要な子オブジェクトを使用しません。
一般的な生活費補償インシデントの作成例
次の例では、生活費補償インシデントを作成しています。参照または作成する主要な子オブジェクトはありません。
POST /claims/{claimId}/living-expenses-incidents
{
"data": {
"attributes": {
"description": "7-day hotel stay during flood damage repair",
"lossParty" : {
"code" : "insured"
},
"startDate" : "2020-08-31T07:00:00.000Z"
}
}
}
車両インシデント
車両インシデントは、車両に関する損害情報を取得するオブジェクトです。
ベースコンフィギュレーションでは、車両インシデントは次のタイプの保険契約で使用できます。
- 事業用自動車
- 経営者
- 個人用自動車
- 旅行
車両インシデントには通常、vehicle という名前の主要な子オブジェクトが含まれます。このオブジェクトには、その車両に固有の属性を記述するフィールド(make、model、licenseplate など)が含まれます。車両インシデントには、損害に固有の追加情報(airbagsdeployed、collisionpoint、driver など)も含まれます。車両インシデントを作成するときに、vehicle を指定する必要はありません。vehicle を指定する場合、次のいずれかを実行します。
policySystemIdを入力することで、保険契約に既存の車両を指定する- ClaimCenter
idを入力することで、クレームに既存の車両リスクユニットを指定する - 属性をインラインで入力することで、新しい車両を作成する
他の一部の子オブジェクトと異なり、vehicle を included セクション内の参照リソースとして作成し、refid によって指定することはできません。新しい車両はインラインリソースとして作成する必要があります。
一般的な車両インシデントの作成例
次の例では、車両インシデントの vehicle が指定され、インラインリソースとして作成されています。
POST /claims/{claimId}/vehicle-incidents
{
"data": {
"attributes": {
"collisionPoint": {
"code": "front"
},
"damageDescription": "Damage to bumper and front panels",
"driver": {
"id": "cc:102"
},
"severity": {
"code": "moderate-auto"
},
"vehicle": {
"licensePlate": "7FDG745",
"make": "Mercury",
"model": "Sable",
"state": {
"code": "CA",
"name": "California"
},
"vin": "6GYF54637HD645370",
"year": 1993
}
}
}
}
その他の建造物インシデント
その他の建造物インシデントは、倉庫や芸術家のアトリエのような二次的な建造物や柵の損傷など、主たる住居以外の建造物に関する損害情報を取得するオブジェクトです。
ベースコンフィギュレーションでは、その他の建造物インシデントは住宅所有者保険契約の Coverage B - Other Structures サブタイプで使用されます。住宅所有者保険契約の補償 B タイプコードについては、CoverageType タイプリストを参照してください。
その他の建造物インシデントには通常、主要な子オブジェクト fencesDamaged、description、lossParty が含まれます。
severity を含めることができますが、ベースコンフィギュレーションでは これらのサブタイプの重大度(severity)タイプコードは提供されません。タイプリストおよびタイプコードのカスタマイズの詳細については、『コンフィギュレーションガイド』を参照してください。一般的なその他の建造物インシデントの作成例
次の例では、その他の建造物インシデントに fencesDamaged 属性が含まれています。
POST /claims/{claimId}/other-structure-incidents
{
"data": {
"attributes": {
"description": "Other structure incident",
"fencesDamaged": true,
"lossParty": {
"code": "insured"
}
}
}
}